- 英検2級、準1級に合格している高校生はどのくらいいるのだろう?
- 英検2級・準1級の難易度
- 高校生の英検合格率
- 英検2級合格者は高校生の1.51%
- まとめ:2020年大学入試に向け,高校2年までに英検2級・準1級取得を!
英検2級、準1級に合格している高校生はどのくらいいるのだろう?
中学3年生の最後に英検準2級に合格したうちの子が高校生になりました.
ちょっと早いかもしれないと思いましたが,6月の英検2級に申込を済ませました,
大学受験のことを考えると,できれば高校2年生の2回目試験までに英検2級は合格しておいてほしいと思っています.
【追記 2019.7】英検2級,合格しました.ネットドリルが役立ちました.

ところで,英検2級、準1級に合格している高校生はどのくらいいるのでしょう?
このエントリーでは受験生の親としてちょっと,いやけっこう気になる高校生の英検合格率と,英検2級・準1級を取得している高校生がどれくらいいるのかについて調べました.
大学受験は英語が大きな比重を占める,とても重要な科目です.そして英検2級や準1級に合格していると受験で優遇する大学は年々増えています.英検の情報は大学受験を控える高校生の子どもを持つ親御さんが知っておくべきことなのです.
英検2級・準1級の難易度
まず難易度を把握しておきましょう.
◆英検準2級の目安は「高校卒業程度」.
「社会生活に必要な英語を理解し、使用できることが求められます。入試優遇、単位認定、センター試験対策、さらに海外留学や社会人の一般的な英語力の条件として幅広く適用」とあります[資料1].
◆そして英検準1級の目安は「大学中級程度」.
「入試優遇や単位認定はもちろん、教員採用試験に優遇されたり、海外留学にも多方面で幅広く適用される資格」なのです[資料2].
最新プレスリリースによる高校生英検2級・準1級合格率
英検が学校別・級別の合格率を公表していたのは2013年度までなのをご存知でしょうか?
2014年以降の合格率データについては一部に限ってプレスリリース等で発表することがたまにあります.高校生のデータについては,2015年度・2016年度第1回試験1次試験の受験者数及び合格率が2016年7月にプレスリリースで発表されています[資料3].
ただし,これには2次試験の高校生データが記載されていないため,分析には使えません.
一応,データを紹介しておきます.
<2015年度第1回検定1次試験合格率>
- 2級 :27.0%
- 準1級:15.0%
- 1級 :44%
< 2016年度第1回検定1次試験合格率>
- 2級 :34.0%
- 準1級:18.0%
- 1級 :23%
このように,英検の合格率は受験年によって大きく変わります.特に大学入試センター試験英語が民間試験になることを踏まえれば近年の合格率はより高くなっていると予測できます.
しかしながら,繰り返しになりますが英検側では2014年度以降の合格データを公表していません.
このため,この記事では2013年度の合格率を最終にして最新のデータとして扱わざるを得ません.
では2013年度時点で高校生の英検合格率を見てみましょう.
高校生の英検合格率
2013年度高校生の英検合格率・合格者数です[資料4].
5級 | 62%(3,541) |
---|---|
4級 | 41%(10,954) |
3級 | 39%(59,026) |
準2級 | 34%(101,182) |
2級 | 24%(50,713) |
準1級 | 11%(2,132) |
1級 | 15%(335) |
繰り返しますが,英検実施団体の公益財団法人日本英語検定協会では2014年以降,小・中・高校生別の合格率を公表しなくなりました.そのため,表に記載した合格率は2013年度のものになっています.
2013年度の結果から,高校生が最も多く受験するのは準2級ということがわかります.
高校生の英検準2級合格率は34%,2級合格率は24%,準1級合格率は11%でした.
したがって,中学生のうちに準2級まで受かっていれば,英検を受験する高校生の中では一足早くスタートダッシュをかけられるのです.
英検2級合格者は高校生の1.51%
高校生の2013年度英検2級合格率は24%,合格者は5万713人でした.
2013年度高校生数331万9,640人+中等教育学校後期課程30,226人,合計334万9,866人.
2013年度英検2級合格者5万713人は,2013年度高校生数334万9,866人の1.51%です.
したがって,高校生英検2級合格者は高校生の1.51%となります.
ちなみに準2級でも3.02%です.
これが準1級になるとわずか0.06%になってしまいます.
生徒数は[資料5]より
ただし,この数字は単年度の合格率から算出したものです.高校在学中に2級,そして準1級も取得した子がいるはずなので,高校生の2級・準1級合格者のパーセンテージは1.51%,0.06%を上回ると思われます.
そこで,データが見つかった公立高校生の英検取得者数について見てみます.
公立高校の英検準2級以上取得者は3.6%
2013年度の公立高等学校・公立中等教育学校後期課程で英検準2級以上を取得している生徒の割合は11.0%でした[資料6].
公立高等学校生徒数は228万7,673人,公立中等教育学校後期課程生徒数は8,544人,合計229万6,217人がいわゆる公立高校生となります.
公立高校生229万6,217人のうち英検準2級以上取得者は11.0%,25万2,583人①です.
上の表によると,2013年度高校生英検準2級以上合格者は15万4,362人.このうち,準2級合格者は65.5%,2級合格者は32.8%,準1級合格者は1.3%,1級合格者は0.21%となります.
このパーセンテージを①,すなわち公立高校生英検準2級以上取得者25万2,583人に当てはめると,2013年度公立高校生の英検準2級以上取得者数が推定できます.
- 25万2,583人の66.5%(準2級)は16万7,967人.
- 同様に32.8%(2級)は8万2,847人
- 1.3%(準1級)は3,283人
- 0.21%(1級)は530人
したがって,英検2級取得者は公立高校生の3.6%(8万2,847人/229万6,217人)と推定されました.英検準2級取得者は公立高校生の7.1%,準1級取得者は0.14%でした.
なお,私学生の英検取得率データは入手できなかったのでこのエントリーでは触れられません.
ただし,私立高校生徒数は2013年度で102万3,382人と高校生全体の1/3を占めます.また,多くの私学では英語に限らず各教科の進度が速く,また学校によっては中学のうちから強制的に英検を受験させるところもあります.
このため,英検準2級以上の取得率は公立高校生より高いと推測されます.ぜひ私学全体で統計をとってほしいものです.
<資料>
[資料1]2級の試験内容・過去問 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
[資料2]準1級の試験内容・過去問 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
[資料3]高校生 1級・準1級・2級の受験者数、および合格率 昨年度同回次より大幅アップ!! 〜4技能のバランスの良い学習の成果も顕著〜(英検プレスリリース平成28年7月29日)
[資料4]驚き、小学生で英検1級合格者が28名も 英語塾ABC(http://www.abci.co.jp)
[資料5]文部科学統計要覧(平成26年版):文部科学省
[資料6]平成28年度「英語教育実施状況調査」(中学・高等学校関係)
まとめ:2020年大学入試に向け,高校2年までに英検2級・準1級取得を!
最新プレスリリースにあった通り,英検受験者数・一次試験合格者数とも増える傾向にあります.
特に影響するのが2020年度からの英語民間試験の大学入試への導入.
英検も英語民間試験への採用が決まりました(ただし,従来の一次試験・二次試験方式ではなく新形式).今後,英検の受験者数・合格率ともかなり変化する(高くなる)と予測されます.
英検の場合,ただ受かればいいというものではなく,受かった上でなるべく高スコアを取る必要があります.合格率で一喜一憂している時代は過ぎ去りました(それでもまずは合格しないと話にならないのですが・・・)
この記事を書いている最中,気になるニュースが入ってきました.それは,2018年4月28日読売新聞朝刊東京版30面に書かれていた「東大 英語民間試験活用へ」との記事です.東京大学は2018年3月10日時点では英語民間試験を入試に使うのは拙速としていたのを方針転換した模様です.
東大が英語民間試験活用を表明した以上,他の国立大学がこれに倣う可能性が極めて高いです.
どのような形での活用になるかは今後の展開を注視しなければなりませんが,英検等の英語民間試験の情報は定期的にチェックしておくべきでしょう.
【追記 2019.7】TOIECが英語民間試験から撤退しました.
ではまた!