【2023年3月22日更新】
- 英検2級、高校生の合格率は何%なのか?合格している高校生はどのくらいいるのだろう?
- 英検2級の難易度
- 高校生の英検準2級・2級・準1級の合格率
- 英検2級合格者は高校生の1.51%
- まとめ:2024年大学入試に向け,現役生は高校2年生(もしくは高校3年生)で英検2級取得を!
英検2級、高校生の合格率は何%なのか?合格している高校生はどのくらいいるのだろう?
中学3年生の最後に英検準2級に合格したうちの子が高校生になり,英検2級に合格しました.
大学受験のことを考えると,できれば高校2年生の2回目試験までに英検2級は合格しておいてほしいと思うのは多くの親御さんで共通していることでしょう.
しかしながら,英検2級に合格している高校生は決して多くありません.
このエントリーでは受験生の親としてちょっと,いやけっこう気になる高校生の英検2級合格率,そして英検2級を取得している高校生がどれくらいいるのかについて調べました.
大学受験は英語が大きな比重を占めます.英語はとても重要な科目なのです.
まずは英検準2級,できれば2級や準1級に合格していると受験で英語の試験自体を受けずに済む入試スタイルを取っている大学があります(注:英語外部入試型試験と英語の試験を受ける入試型を併願できるとこともあります).
英検は大学受験を控える高校生の子どもを持つ親御さんが知っておくべき情報なのです.
英検2級の難易度
まず難易度を把握しておきましょう.
◆英検2級の目安は「高校卒業程度」.
「社会生活に必要な英語を理解し、使用できることが求められます。入試優遇、単位認定、センター試験対策、さらに海外留学や社会人の一般的な英語力の条件として幅広く適用」とあります[資料1].
したがって,英検2級は高校生のうちにとっておきたい資格と言えます.
最新プレスリリースによる高校生英検2級合格率
英検が学校別・級別の合格率を公表していたのは2013年度までなのをご存知でしょうか?
2014年以降の合格率データについては一部に限ってプレスリリース等で発表することがたまにあります.
高校生のデータについては,2015年度・2016年度1級・準1級・2級の第1回試験一次試験受験者数が2016年7月にプレスリリースで発表されています[資料2].
この資料には二次試験の合格率も記載されていますが,この合格率は高校生も含めた全体の合格率です(2016年度第1回検定二次試験合格率は2級で80.4%).
「英検2級 高校生 合格率」で検索すると,この80.4%という数値を記載しているものが見受けられますが,この数値は受験生全体での合格率です.
[資料4]には、「本来であれば高校生の合格率を掲示するところであるが,解析中であり,全体での合格率を速報値として記載」と明記されています.
もし,英検2級二次試験の高校生合格率を80.4%と書いている記事を見かけたら,それは嘘です.真に受けないないようくれぐれもご注意ください.
英検2級についてのデータを紹介しておきます.
<2015年度第1回検定1次試験合格率>
- 2級 :27.0%
< 2016年度第1回検定1次試験合格率>
- 2級 :34.0%
このように英検の合格率は受験年によって大きく変わります.特に大学入試センター試験英語が民間試験になることを踏まえれば近年の合格率はより高くなっていると予測できます.
しかしながら,繰り返しになりますが英検側では2014年度以降の合格データを公表していません.
このため,この記事では2013年度の合格率を最終にして最新のデータとして扱わざるを得ません.
では2013年度時点で高校生の英検合格率を見てみましょう.
高校生の英検準2級・2級・準1級の合格率
2013年度高校生の英検合格率・合格者数です[資料3].
5級 | 62%(3,541) |
---|---|
4級 | 41%(10,954) |
3級 | 39%(59,026) |
準2級 | 34%(101,182) |
2級 | 24%(50,713) |
準1級 | 11%(2,132) |
1級 | 15%(335) |
繰り返しますが,英検実施団体の公益財団法人日本英語検定協会では2014年以降,小・中・高校生別の合格率を公表しなくなりました.そのため,表に記載した合格率は2013年度のものになっています.
2013年度の結果によると,
高校生の英検2級合格率は24%でした.
高校生で英検2級に合格することは決して楽なことではありません.
裏を返せば,中学生のうちに準2級まで受かっていれば英検を受験する高校生の中では一足早くスタートダッシュをかけられるのです.
英検2級合格者は高校生の1.51%
高校生の英検2級の合格率はわかりました.
では「高校生の合格者」は高校生全体の何パーセントなのでしょうか?
2013年度の高校生の人数は331万9,640人+中等教育学校後期課程30,226人,合計334万9,866人です(生徒数は[資料4]より).
したがって,高校生英検2級合格者は高校生の1.51%(50,713/3,349,886)となります.
ただし,この数字は単年度の合格率から算出したものです.2013年度より前、高校在学中もしくはその前に英検2級を取得した子がいるはずなので,高校生の英検2級合格者のパーセンテージは1.51%を上回ると思われます.
そこで,データが見つかった公立高校生の英検取得者数について見てみます.
公立高校の英検2級取得者は3.6%
2013年度の公立高等学校・公立中等教育学校後期課程で英検準2級以上を取得している生徒の割合は11.0%でした[資料5].
公立高等学校生徒数は228万7,673人,公立中等教育学校後期課程生徒数は8,544人,合計229万6,217人がいわゆる公立高校生となります.
公立高校生229万6,217人のうち英検準2級以上取得者は11.0%,25万2,583人①です.
前のセクションの表「2013年度高校生の英検合格率・合格者数」によると,2013年度高校生英検準2級以上合格者は15万4,362人.このうち,2級合格者は32.8%です.
このパーセンテージを①,すなわち公立高校生英検準2級以上取得者25万2,583人に当てはめると,2013年度公立高校生の英検2級取得者数が推定できます.
- 25万2,583人の32.8%(2級)は8万2,847人
したがって,英検2級取得者は公立高校生229万6,217人の3.6%と推定されました.
なお,私学生の英検取得率データは入手できなかったのでこのエントリーでは触れられません.
ただし,私立高校生徒数は2013年度で102万3,382人と高校生全体の1/3を占めます.また,多くの私学では英語に限らず各教科の進度が速く,また学校によっては中学のうちから強制的に英検を受験させるところもあります.
このため,英検2級の取得率は公立高校生より高いと推測されます.ぜひ私学全体で統計をとってほしいものです.
参考資料
- [資料1]2級の試験内容・過去問 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
- [資料2]高校生 1級・準1級・2級の受験者数、および合格率 昨年度同回次より大幅アップ!! 〜4技能のバランスの良い学習の成果も顕著〜(英検プレスリリース平成28年7月29日)
- [資料3]驚き、小学生で英検1級合格者が28名も 英語塾ABC(http://www.abci.co.jp)※当記事の初稿を公表した2018年には記事がありましたが現在では見当たらなくなっています.
- [資料4]文部科学統計要覧(平成26年版):文部科学省
- [資料5]平成28年度「英語教育実施状況調査」(中学・高等学校関係)
まとめ:2024年大学入試に向け,現役生は高校2年生(もしくは高校3年生)で英検2級取得を!
英検取得は大学入試にも影響します.
大学によっては入試方式の中に外部英語方式を採用しているところがあります.
例えば明治大学では英検,TEAP,TOEFL iBT,IELTS,TOEIC,GTEC,ケンブリッジ英語検定が利用できます(学部によって違いますので要確認).
英検の場合,ただ2級に受かっていればいいというものではなく,受かった上でなるべく高スコアを取る必要があります.合格率で一喜一憂している時代ではないのです(それでもまずは合格しないと話にならないのですが・・・).
どのような形での活用になるかは大学によって様々ですが,英検等の英語民間試験の情報は定期的にチェックしておくべきでしょう.
【2021年2月9日追記】なお,合格およびスコアを入試に使えるのは高校2年生および高校3年生で取得したもの/あるいは高校3年生で取得したものに限られることが多いようです(うちの子の受験先はそうでした).
またスコアではなく合格証書の提出を求められる大学もあります.高校1年生以前に合格したものについては受験に使える級の合格・スコアを新たに取得し直さなければならないかもしれません.
したがって,いつ英検の合格・スコアが必要なのかについてはあらかじめ受験する大学の募集要項をチェックしなければなりません.くれぐれもご注意ください!