はじめに
今日,2月1日から東京都と神奈川県の私立中学入試(以下中学入試もしくは入試)が始まります.
たいてい1つの学校が複数日程の入試日を設けています.
日程をどう調整して本命校入試に挑むのか,受験生本人はもとより親の心労も耐えがたいものがあります(ありました).
そんな中学入試ですが,もちろん先立つものはお金です.
このエントリーでは,
①東京在住受験生の受験日程
②出願から2月9日あたりまで(東京都の入試があらかた終了する日程)の期間中,受験料を含め学校に納付する費用がどれくらいかかるのかについて紹介します.
すでに受験に突入している方はともかく,来年以降受験を予定している方の参考になれば幸いです.
受験先
筆者は東京都内在住です.
東京からだと住んでいる地域にもよりますが都内および千葉・埼玉・神奈川・茨城各県は通学範囲に入ります.
これら一都4県のいくつかの中学には説明会・文化祭で足を運びました.実際に受験したのは東京・千葉・埼玉・茨城です.
(栃木・群馬には足を運びませんでした.)
ここでぜひ知っておいていただきたいことがあります.
それは入試開始日が都・県によって異なることです.受験生にとっては常識ですが,中学入試を検討するまではニュースで流れても耳に入ってきませんでした.
記事冒頭で述べたように,東京都・神奈川県の中学入試は2月1日から始まります.
一方,茨城・千葉の入試スタートは1月初旬です.
東京・神奈川在住の方の場合,多くの方は地元の中学を本命校に据えると思います(もちろん,東京在住でも例えば東邦大東邦など他県の中学を本命にすることはあるでしょう).
とは言っても,いきなり本命校を受けるのではなく,
A:受験本番に慣れるため,そして滑り止め校として茨城・千葉の中学をいくつか1月に受験し,
B:それから今日2月1日以降で地元の本命校の合格を狙う,というパターンを選択するご家庭は決して少なくないと思います.
ちなみに2月1日以降の動きも合否次第であれこれ変わってきます.この点は後述します.
では実際に経験した入試に基づき,中学入試がどういう日程で進むのかについて見ていきます.
入試日程
サンプルはうちの子供達二人分です.日程は二人が受験した異なる年度のものから適宜抽出しましたが,二人とも5校ずつ受験しています.
1月8日 茨城A校
1月10日 埼玉A校(普通クラス)
1月11日 埼玉A校(特進クラス)
1月21日 千葉B校
2月1日 東京A校1回目
2月2日 東京B校1回目
2月3日 東京A校2回目
1月受験
受験は茨城県の中学入試から始めました.すでに述べたとおり,目的は受験本番に慣れることと抑え校を確保するためです.
滑り止め校とはいえ,受験できるならどこでも良いというわけではありません.
事前に学校説明会に行き,文化祭にも必ず子どもと一緒に足を運び,互いに納得した上での受験です.
まずはここでいずれかの中学に合格しておかないと,親子とも悲壮な決意を抱きながら2月1日に受験せざるをえなくなります.幸い,うちでは二人とも1月中に受かってくれました.
ここで合格した学校のうち,1校だけ入学金の一部を納付しました.
2月受験
2月1日から3日,あるいは4日・5日までは毎日が修羅場となります.
初日で本命校に合格すればこんなに良いことはありません.でもそうなるとは限らないのです・・・
たいていの学校では入試回数を3日設けています(中には3日間で午前入試・午後入試と合計6回入試の学校もあります).
合否はその日のうちに発表されることが多いです.結果によっては本命校の2回目・3回目入試を回避し,ランクをちょっと下げた学校を受験することもあり得ます.というより,初めから想定しておきます.
ランクを下げる場合でも,1月からの入試の結果によっては当初安全圏間違いないはずだったのがちょっと不安に思えてくる場合だってあります.
だから2月1日は本命校,そして2月2日以降は本命校に同時出願しつつも他のより確実性の高いところを,場合によっては複数校出願しておくこともあるのです.
ちなみに,学校によっては受験日前日の午後7時まで,つまりその日の合否判定の結果が出てからでも間に合うように窓口で出願を受け付けるところがあります(オンライン出願なら午後11時59分まで,というのもあり).
さらに言えば,受験当日朝に出願を受け付けるところさえあります.いずれにしても速攻で出願できるように受験セット(子どもの顔写真・ペン・糊・はさみ・現金)を常に用意し,両親のどちらかがすかさず受験校に駆けつけられるよう事前にスケジュールを調整するのも親の努めなのです.
なんとか2月5日までに受かってくれたので,ようやく中学受験が終わりました.子どもが小学3年生から学校説明会に通ったのでとても長く感じました.
費用
さて,それでは出願から入学金納付まで費用はいくらかかるのでしょう?
入試の受験料(検定料)は概ね1回につき2万3千円〜3万円程度かかります.
複数回同時出願すると割引になり,2回で3万5千円〜3万6千円,3回だと4万5千円になる学校もあります(5回4万5千円というところも).
1回の受験料を2万3千円,3回同時出願4万5千円と仮定し,茨城1校,千葉1校,埼玉1校,東京2月1日〜3日分まとめて出願という受験回数が決して多くはないパターンでも2万3千円×3+4万5千円,合計11万4千円かかります.
1月入試で合格した学校も含め,入学金は概ね25万円前後です.
中にはあらかじめ5万円程度を振り込むことによって手続き期間を延長できる学校もあります.
とはいえそこは心得たもので,学校によっては手続き最終日をなんと2月3日(銀行からの送金なので必然的に午後3時がリミット)に設定してたりします.
東京・神奈川本命校の2月2日時点の合否によっては,まだ2月3日の入試を残しているにもかかわらず,入学金残金(ざっくり20万円程度)+施設費(10万円程度)がかかります.実際,かかりました.
2月の本命校に合格すれば合格発表の日を含め2日以内に入学金(これまた25万円前後)を納付せよ,というケースも多いです.
そんなこんなで,
・受験料だけで10万円〜15万円程度
・入学金2校分で60万円前後
合計70万円程度の出費を覚悟しなければなりません.
うちも実際,それくらいかかりました.施設費の10万円は返還する旨をきちんと募集要項に書いてあったので返還手続きをしました.学校に電話の上,手続きしたほうがいいかもしれません(そうしました).
おわりに
なにはともあれ,我が家の中学受験は終わりました.
行き先が本命校だったかどうかは内緒です.ただ,二人とも中学入試をやりきり,進学先での学校生活を謳歌しました/しています(上の子はすでに大学に進学し,来たるべき国家試験に備えて日々勉強しています).
中学受験には子どもの意向はもちろんですが,親の意見が非常に色濃く反映されると思っています.中には受験先は1校のみに限定し,残念ながら不合格のときは公立で良いと考えるご家庭もあって然りです.その場合でも受験料2万3千円ほどと入学金25万円ほど,まあざっくり30万円の出費が出願-入試-合格発表-納付手続というごく短期間に発生します.
タイトルの「首都圏中学入試の費用は70万円用意せよ」はあくまで4〜5校の複数回受験および,滑り止め校1校と進学先中学1校への入学金+αを想定しての金額にすぎません.
出願〜入学金納付までの費用が70万円より多くなるか少なくなるかは,どの中学の入試を何回受けるか,受かった際に入学金を納付するかどうか,さらには2月5日過ぎての入試に備えるかどうかなど2月1日以降の合否と入学手続き〆切具合によってがらりと変わってきます.
でも,出願から合格時の納付に備えてそれくらいは準備しておいたほうがいい,というのが2回の中学受験からの経験則です(理論ではありません).
もし,ここで70万円も使わなかったとしたって入学後にはやれ制服代だ授業料だ施設費だなんだかんだと出費が続きます.備えあって憂い無し,です.
ではまた.