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不動産屋で賃貸物件仲介手数料1ヶ月分を安易に承諾してはいけない

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賃貸住宅・アパート・マンション等を借りるとき、仲介手数料1ヶ月分+消費税がかかると言われたら安易に承諾しないようご注意ください。承諾しなければ借主が支払うのは半月分+消費税で済むのですから。

平成29年12月8日国土交通省告示第1155号とメモ

このブログエントリーを読みました。

mrtry.hatenablog.jp

見出しの一つに「仲介手数料は「1ヶ月の賃貸料×0.54が基本」」とありました。

その「エビデンス」としてあげていたのが昭和45年建設省告示第1552号

ただし、昭和45年建設省告示第1552号は現在改正されていて、平成29年12月8日国土交通省告示第1155号になっています(平成30年1月1日施行)。

不動産屋に行くときは「平成29年12月8日国土交通省告示第1155号(平成30年1月1日施行)」とメモしておきましょう。そして、このブログの内容もメモしておいてください。きっと役に立つでしょう。

仲介手数料「1ヶ月の賃貸料×0.54」とは?

不動産屋の多くは宅地建物を取引しています。

宅地建物の取引、すなわち売買・交換・貸借の代理や媒介を「業」として行うには宅地建物取引業の免許が必要です(自分の持ち物件を自ら貸す貸借業を営む大家さんには不要です)。

宅建業免許を取得して宅建業を営む不動産屋は、宅地建物取引業法(宅建業法)第46条で定められている報酬の上限に従わなければいけません。

宅地建物取引業法
第四十六条 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。

2 宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。

e-Gov法令検索

 

宅建業法第46条にある「国土交通大臣の定め」が、 平成29年12月8日国土交通省告示第1155号(昭和45年建設省告示第1552号)というわけです。 

そして、国土交通省告示第1155号で定められている貸借の媒介、いわゆる賃貸住宅(マンション・アパート)の仲介での報酬上限が

  • 家賃1ヶ月分の1.08倍

なのです。 

国土交通省告示第1155号
第4 貸借の媒介に関する報酬の額
宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が使用貸借に係るものである場合においては、当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。)の一月分の一・〇八倍に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たつて当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の〇・五四倍に相当する金額以内とする。

 

計算上は、宅建業者が得られる報酬上限の1ヶ月分は「貸主(大家)と借主合わせて1ヶ月分の家賃(借り賃)×消費税」となります。

※「消費税分を消費税・地方消費税として別途受け取るものではない」国土交通省:宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方、p.38を参照)とされているため、家賃1ヶ月分の1.08倍とされています。

 

ここで注意が必要なことがいくつかあります。

  1. 「居住の用に供する建物の賃貸借の媒介」とされているので、事務所・店舗その他居住以外の用途を兼ねるものは含まれません。
  2. 「当該媒介の依頼を受けるに当たつて当該依頼者の承諾を得ている場合」とは、依頼者から借賃の1ヶ月分の0.54倍以上の金額を報酬として受けることについて承諾を得ている場合を指します。

2については、依頼者の承諾がなければ、業者が受け取れる仲介手数料は家賃1ヶ月分の0.54倍が上限になります(計算上は家賃半月分+消費税)。

◆不動産屋に行って家賃1ヶ月10万円のアパートを借りようとして、手数料(報酬)1ヶ月分×消費税の10万8,000円がかかると言われたとします。

異論を唱えず承諾してしまったら10万8,000円の手数料を支払うことになります。

それでは5万4,000円分まるまる損します。

◆新たに賃貸アパート・マンション等を借りるときは、仲介手数料で損しないよう、こんな感じで切り出してみてはいかがでしょうか?(※あくまで案ですので責任は負いかねます)

「仲介手数料の家賃1ヶ月分×1.08って、私が承諾した場合ですよね?」
「それは承諾できませんので、仲介手数料は家賃1ヶ月分×0.54でお願いします」
※言い回しはこの限りではありません。
※メール・ライン等で書面に残しましょう。
※もとから仲介手数料を家賃1ヶ月分×0.54にしている業者もいます。
※「取引様態」が「仲介(媒介)」になっているかどうかも確認しましょう。
※こちらのブログ記事がたいへん参考になります。

www.soumushou.com

決して業者の言いなりにならない・安易に承諾しないことが大切です。


繰り返します。

アパートやマンションを借りるとき、業者が提示する手数料を安易に承諾しないことが肝要です。くれぐれもご注意ください。

 

また、こういう表が店内に掲示してあるかどうか見回してみてくださいね。「第四 貸借の媒介に関する報酬の額」に明記されていますので。

https://www.kanagawa-takken.or.jp/kaiin/%E5%A0%B1%E9%85%AC%E9%A1%8D%E8%A6%8F%E5%AE%9A%E8%A1%A8%EF%BC%88A3%EF%BC%89.pdf

https://www.kanagawa-takken.or.jp/kaiin/%E5%A0%B1%E9%85%AC%E9%A1%8D%E8%A6%8F%E5%AE%9A%E8%A1%A8%EF%BC%88A3%EF%BC%89.pdfより
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業者に言いにくいときは不動産適正取引推進機構に電話を

知識としては持っていても、業者と面と向かったときに言い出しにくい方がいるかもしれません。

そんなときは
不動産適正取引推進機構にその場で電話して訊ねてみるのが良いかもしれません。

不動産適正取引推進機構そのものは当事者からの依頼を直接受けてはいません。でも相談の問合せは受け付けています。

不動産適正取引推進機構リーフレットより

不動産適正取引推進機構リーフレットより

不動産適正取引推進機構(TEL 03-3435-8111)の電話受付時間は土日祝日・年末年始を除く9:30〜17:30です。
※不動産適正取引推進機構は宅地建物取引士資格試験の実施団体です。

なお、宅建業者が1ヶ月分の家賃×1.08倍を大家さんと借主の両方から媒介報酬として受け取ると宅建業法違反になります(http://www.retio.or.jp/info/qa17.htmlのQ5を参照)

宅建業者が宅建業法第46条2項に反して上限を超えた報酬を受け取った場合、100万円以下の罰金となります(宅建業法第82条2項)。

しかも宅建業法違反での罰金刑は免許の欠格要件に該当します。

宅建勉強しておくとなにかと役に立ちます。

ではまた。

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