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出国税(国際観光旅客税)はさらなる増税のモデルケースではないのか?

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2019年1月7日から出国税(国際観光旅客税)が課されます。出国税1,000円は航空会社又は船舶がチケット代金に上乗せされ、業者が税務署・税関に納付します。国の徴税コストが低いこの手の新税導入は、今後の増税の端緒になるのではないか、と懸念します。

2019年1月7日から出国税(国際観光旅客税)が導入

2019年1月7日から、飛行機・船舶で海外へ出発する際に、1,000円の出国税(国際観光旅客税)が課されます。すでにニュース等で見聞きしている方が多いと思います。

出国税を払うのは、航空機・船舶で出国する者(航空機・船舶の乗員等の不課税者や2歳未満等の非課税者、外国大使・国賓等の免税者は除く)です。

LCCで海外に行こうが、優雅にファーストクラスで海外に行こうが、みな等しく1,000円払います。 格安航空券を使って海外に行く方、仕事等で頻繁に海外に行く方にとってはけっこう痛い出費になるでしょう。

一方、あまり海外に行かない方とってはたいしたことない出費と言えます。何しろ年に1,000円払うか払わないか、というだけのことですから。

しかしながら、観光庁にとってはたいしたことのある増収になります。

政府は12月21日、2019年度当初予算案を閣議決定した。観光庁予算は、18年度当初予算比142%増の665億9600万円となった。大幅な増額は、1月7日から徴収が始まる国際観光旅客税を充当した予算485億円を一括計上したため。国際観光旅客税の充当予算のうち他の省庁に移し替えて執行される分を除くと、観光庁が19年度に一般財源と国際観光旅客税財源で執行する予算は、同67%増の414億4200万円となる。(引用元はこちら

 

2017年度の出国日本人数は1789万人、訪日外国人旅行者数2869万人、合計4658万人です。この4658万人すべてが課税対象者と仮定すれば、出国税の総額は465億円になります。

今後、少なくとも東京オリンピックまでは訪日外国人の増加が見込まれますので、出国日本人数がそのままで推移したとしても出国税の増収が期待できます。

出国税のような増税が他にも導入されない保証はない

出国税1,000円は航空会社又は船舶がチケット代金に上乗せされ、「特別徴収義務者」である事業者が税務署・税関に納付します。

○ 国内事業者は、旅客が船舶又は航空機に搭乗等する時までに「国際観光旅客税」を徴収し、旅客が出国する日の属する月の翌々月末日までに税務署に納付する。

○ 国外事業者は、旅客が船舶又は航空機に搭乗等する時までに「国際観光旅客税」を徴収し、旅客が出国する日の属する月の翌々月末日までに納税管理人を通じて税関に納付する。 ※ 国外事業者自らが納付することもできます。 (引用元はこちら

業者にとってはまたひとつ事務負担が増えることになる一方、業者がきっちり納税すれば税務署側の徴収コストは低くおさまると言えます。

もし、これが地方税の住民税普通徴収のように、飛行機・船で海外に行く度に納税通知書が交付され旅行者ひとりひとりが納税するなんて事態になれば、とんでもない徴税コストがかかります。納税者側の意識もぜんぜん違ってくるでしょう。

そうではなく、international touristだけが旅行代金の一部として業者に1,000円支払えば納税が済む出国税は、納税に対してさほど意識させない税なのかもしれません(すでに述べたように頻繁に海外に出かける方は別でしょうけど)

とすれば、出国税のような「納税に対する意識をさほど刺激しないやり方」で、この先さらに増税される可能性があるとは考えられないでしょうか? 

懸念すべきは出国税の先にあること

あくまで例ですが、電車1回乗車につき数円徴収するとられるとしたらどうなるでしょう?

※電車やバスなど公共交通機関の運賃には消費税がかかっているので運賃にまた税金をかけると二重課税になりますが、複数税がかけられている事例はすでに多々あるのでスルーします。

 

平成29年度の鉄道の延べ旅客数は249億7260万8千人(JR:94億8803万人、JR以外の民間鉄道:154億8457万8千人、出典はこちら)。

もし、これら旅客1人につき1円の税金を課した場合、それだけで249億7260万8千の税収増につながります。

筆者は交通系ICカードを使い始めてから近場の電車代をあまり気にしなくなりました

以前は切符を買うとき、特に乗り換えが必要なときは経路と料金をいちいち確認していたものです。筆者のように電車料金に頓着しなくなっている方が多くなっているのなら、1円どころか5円程度増税されても甘受するどころか増税自体に気付かないかもしれません。

ちなみに、鉄道運賃・料金の設定・変更手続きは鉄道事業法で規定されていて認可申請または届出が必要なものの、入場料金は無規制とのことです(出典はこちら)。鉄道運賃以外への新たな税金を創設することはさほど難しくないかもしれません。


平成31年度予算案・一般会計は101兆4564億円。当初予算として初の100兆円超えとなってしまいました。国、というより財務省はぜがひでも増税したいはずです。

平成最後の平成31年に導入された出国税(国際観光旅客税)は、さらなる増税のモデルケース、とまでは言わなくとも振り返れば端緒になってしまうのではないか、そう思えてなりません。

ではまた。

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