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薬局サーベイランスでインフルエンザの流行具合を視覚的に把握しよう

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はじめに

今年2016年のインフルエンザは患者数が過去10年で2番目の大流行とのこと.

 

過去10年でいつが一番だったのか気になりますが,過去のことより今を知ることのほうが重要.

インフルエンザの流行度を視覚的に推し量るには,こんなデータが役立つかもしれません.

prescription.orca.med.or.jp

 『症候群サーベイランス』とありますが,『薬局サーベイランス』で検索してもヒットします.上のリンクをクリックすると,次項のページが出てきます.

薬局サーベイランス

f:id:browncapuchin:20160220121814p:plain
出典:http://prescription.orca.med.or.jp/syndromic/yakkyoku/index.html

概要にはこう書いてありました.

・薬局サーベイランスは薬局での調剤情報を集計することでインフルエンザ患者数を推計する調査です。
・公益社団法人日本医師会、公益社団法人日本薬剤師会、日本大学薬学部薬学研究科、株式会社EMシステムズの4者を共同運用者として実施しています。
・現在10064薬局(全薬局の20.17%、2015年1月1日現在)が参加しています。
・佐賀県では県の行動計画でも位置づけられています。
・2009/2010新型インフルエンザにおいて活用されました。

 

薬局で出した薬から,インフルエンザに感染した患者数を推定するとのことです.正直言って説明は素人に不親切です.しかも,参加薬局が全薬局の20%程と,精度は今一つな感じ.

じゃあ,なんでわざわざ記事にしたのか?

それには大きな理由があります.

それはなんと言っても迅速さ.

薬局サーベイランスは,データを「処方翌日の午前7時に結果を還元」します(実施方法をご参照ください.).インフルエンザ患者数速報値としては有効なんじゃないでしょうか?


【注:国立感染症研究所のインフルエンザ流行レベルマップは,全国約5,000のインフルエンザ定点医療機関を受診した患者数を週毎に把握するとのことです.データ公表が遅いです.】

薬局サーベイランスのHPはグラフを毎日更新しています.

したがって,リアルタイムの肌感覚に近いインフルエンザ感染具合を視覚的にとらえやすいのが最大の特徴と言えます.

 

私が知りたいのはインフルエンザがいつ終息するかの一点だけなので,グラフの形,特にピークがいつ頃に来るのかさえわかれば十分です.

では,グラフをみていきましょう.

日報グラフ

f:id:browncapuchin:20160220123347p:plain

http://prescription.orca.med.or.jp/syndromic/kanjyasuikei/flu/2015_16/index.html

こんな感じで日付毎の棒グラフが記載されています.最新のデータが,赤の矢印で「昨日」と指されています.2016年2月19日の推定患者数ですね.これは全国の日報グラフです.

【追記:2018.2.7 あくまで2016年のデータです.最新のものは薬局サーベイランスHPにてお確かめください】

このグラフを見ていると,棒グラフに長い短いが繰り返し登場するのがわかります.昨日(2/19金曜)よりも一昨日(2/18木曜)のほうが短く,水曜,火曜と遡って,2/15月曜が長い.その前日2/14日曜はがくんと減っています.

どうやらそんなパターンを(月曜増加→日曜急減)繰り返しながらも,月曜の値は上昇し続けています.たぶん,日曜は薬局お休みだからデータが来ないんでしょうね.あと,木曜もそんな感じ.月曜は病院がやたら混むのは体感的によくわかります.

日々のデータのばらつきが多い日報より,週報(後述)のほうが推定患者数の推移はわかりやすいかもしれません.

これは全国ですが,47都道府県と各政令指定都市別のグラフも見ることができます.

東京はといえば,

f:id:browncapuchin:20160220130416p:plain

http://prescription.orca.med.or.jp/syndromic/kanjyasuikei/flu/2015_16/14_tokyo.html#weekly


こんな感じです.どうやら東京のピークは過ぎたんじゃないでしょうか? 

週報グラフ

さて,東京の週報グラフはというと・・・1都6県分まとめて表示されています.

f:id:browncapuchin:20160220142451p:plain

http://prescription.orca.med.or.jp/syndromic/kanjyasuikei/flu/2015_16/14_tokyo.html#weekly


ちょっと見づらいですが,東京都(一番上のオレンジ),神奈川(上から2番目の緑),茨城県(下から3番目の茶色)はピークを超えたように見えます.また上がるかもしれませんけどね.

 

ですが, 全国の模様となると,患者数がどんどん増えていることが容易に見て取れます.

2/8〜2/14の週が今のところのピークとなっています. 

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このままこれがピークで終息に向かうのか,それとも山はもっと高くなるのか,どちらでしょう?いずれにしても,まだまだ油断は禁物です.

もし,罹患してしまった場合は学校も会社もお休みしましょう.体調を回復する時間が必要なのはもちろんですが,ウイルスを放出したまま外出したら,自分が感染源になってしまいます.お大事にして下さい.


ではまた!

 

browncapuchin.hatenablog.com

 

【追記】一都六県は終息に向かう感じですね.

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全国の週報を見たら,峠は越えたもようです.とはいえ,まだ油断は禁物です.  

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