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【用い方にはご注意を】今や「女史」は性差別語・不快用語なのです

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あなたは「女史」という言葉を聞いたとき,何か違和感を感じませんでしたか?

もしそうだとしたら,このエントリーが腑に落ちるかもしれません.

女史は性差別語・不快用語だった

「女史」という言葉,使ったことはありますか?

筆者は女性に対して女史を用いたことはありません.個人的な事例で恐縮ですが,大学の先輩が大学院の女性の先輩に対して「女史」と言っていたことをずっと疑問に思っていたからです.その感覚は四半世紀経った今でも変わりません.

さて,女史にはどんな意味があるのでしょうか?

『広辞苑(第5版)』ではこうなっていました.
①中国で,後宮に仕えて記録をつかさどった女官.
②昔の女官の一.文書の事をつかさどったもの.
③社会的地位や名声のある女の人.また,その氏名に添える敬称.

他の辞書,例えばgoo辞書ならこうです.
①社会的地位や名声のある女性を敬意を込めていう語.また,その女性の名前に添えて敬意を表す語.
②昔,文書の事務を扱った女官.


しかしながらこれらの用法が腑に落ちなかったので「一般企業の企画・広報担当者からWEBライターまで,文章を書くすべての人にお薦めする日本語用字用語集の決定版(Amazon紹介ページより)」の『記者ハンドブック』を開いてみました.

 

すると驚くべきことが書かれていました.

「女史」は性差別語・不快用語とされていたのです.

『記者ハンドブック』の差別語,不快用語とは

『記者ハンドブック』の差別語,不快用語の項目には,こう書いてあります.

 性別,職業,身分,地位,境遇,信条,人種,民族,地域,心身の状態,病気,身体的な特徴などについて差別の観念を表す言葉,言い回しは使わない.基本的人権を守り,あらゆる差別をなくすため努力するのは報道に携わる者の責務だからだ.
 使う側にとって差別意識がなくても,当事者にとっては重大な侮辱,精神的な苦痛,差別,いじめにつながることがある.使われた側の立場になって考えることが重要だ.ことわざ,成句の引用でも,その文言の歴史的な背景を考え,差別助長にならないような心遣いが必要になる.(p.490)

 

「特に気を付けたい言葉の主な例は次の通り」として,
1 心身の障害,病気
2 職業
3 身分など
4 人種,民族,地域の表記
5 性差別
6 子ども
7 俗語,隠語,不快用語
を挙げています.

女史は上記5「性差別」に記載されています.

女史は女性を特別視する表現

しかも,女史は「女性を特別視する表現や,男性側に対語のない女性表現は原則として使わない」言葉の筆頭に挙げられていました.

女性を特別視する表現や,男性側に対語のない女性表現は原則として使わない.性別を理由にした社会的,制度的な差別につながらないよう注意する.

・女史→○○○○さん
・女流→「女流名人」などの固有名詞以外は使わない.
・連れ子→差別的な意味では使わない.「○○さんの長男」などとする.
(p.494,以下略)

 

「女史」という言葉は,「性別について差別の観念を表す言葉であり,女性を特別視する表現・男性側に対語のない女性表現」なのです.

 

冒頭で述べた通り,女史についてWebの国語辞書等を調べても差別用語して記載するものは見たことがありません.実際,敬称として用いている方も少なくないかもしれません.

しかしながら,言葉の意味・用法は時代によって変わります.

もともとは「社会的地位や名声のある女性を敬意を込めていう語」という意味で使われていた「女史」が,『記者ハンドブック』に差別語・不快用語であると初めて示されたのは1997年発行第8版とのこと(敬称について | 藤野 恵美).

今や「女史」は性差別語であり,その用法には注意を払うべきなのです.

あなたは誰か女性を指すとき,「女史」を用いますか?

ではまた.

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