おまきざるの自由研究

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5年後の自分へ,トランプが大統領になって世界はどうなったの?

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はじめに

はてなブログ5周年ありがとうキャンペーンお題第2弾「5年後の自分へ」

http://blog.hatena.ne.jp/-/campaign/hatenablog-5th-anniversary

日本時間2016年11月9日17:00現在,ドナルド・トランプ2016年アメリカ合衆国大統領選挙共和党候補がアメリカ大統領選挙で勝利宣言をしています.

彼が第45代アメリカ合衆国大統領に決定しました.

さて,アメリカは今後どうなるのでしょうか?

「もしトランプが大統領になったら」というワードで検索したら,数々の記事がヒットしました.

これらのうちのいくつかを紹介・引用して,いわゆる識者たちの予想がどれくらい当たったのか,外れたのかについて5年後に振り返る材料にしたいと思ったので,このエントリーを記します.

<米大統領選>もしトランプが大統領になったら日本はどうなるか?

<米大統領選>もしトランプが大統領になったら日本はどうなるか?

2016年5月8日,室橋祐貴氏による記事です.トランプ氏の「5つの公約」と取りあげていました.

トランプ氏は、以前にも紹介したが、公約としては大きく5つ挙げている

・米中貿易の改革

中国の人民元切り下げを止めさせ、環境基準や労働基準を改善させる。また知的財産保護やハッキングに対して厳しく対処する。「中国はアメリカの雇用とカネをかすめ取っている」と言い放っている。

・退役軍人省の改革

退役軍人省の首脳部を総入れ替えし、退役軍人の医療制度を変革する。具体的には、退役軍人の病院での待ち時間を減らせるように仕組みを変え、増加する女性退役軍人の医療充実のため、女性医療を専門とする医師の数も増やすつもりだ。またオバマケアは大失敗だとし、自由市場原理で動く医療保険計画を提案している。

・税制の改革

年収2万5000ドル(約300万円)未満の人の所得税を免除する。法人税率を15%引き下げ、多国籍企業が海外に滞留した所得は税率10%で国内に還流させることができるようにする。最低賃金の引き上げには反対し、労働コストの低い海外に移転した製造業の雇用を米国に戻すべきだとしている。

・武器の所有権利

銃規制強化に反対し、銃購入時の身元調査の範囲拡大にも反対している。また銃乱射事件を減らすために精神医療に投資すべきだとしている。

・移民の改革

オバマ政権が大統領令で導入した移民制度改革を撤廃し、数百万人に上る不法移民を強制送還する。ムスリム系米国人のデータベースを強化し、モスクを監視すべき。米国とメキシコの間に「大きな壁」を建てる(トランプ氏は以前からメキシコ人を強姦犯などと罵倒している)。

 

また,日米安保条約については米軍の駐留経費負担を,TPP反対を主張.日本では2016年11月4日,衆議院TPP特別委委員会におい自民・公明・日本維新の会の賛成多数でTPP法案が可決されたばかりなんですけどね(TPP法案、賛成多数で可決 特別委、抗議の中採決強行:朝日新聞デジタル).さて,どうなるでしょうか?


佐藤優が斬る! もしトランプが大統領になったら、世界はこう変わる(佐藤 優) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)

佐藤優が斬る! もしトランプが大統領になったら、世界はこう変わる(佐藤 優) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)
143ブクマを集めた佐藤勝氏(作家・元外務省主任分析官)氏による記事.

要するに、トランプはアメリカ孤立主義者なんですよ。激しいことを言うんだけれども、「ルーズベルト大統領が真珠湾奇襲の後、第2次世界大戦に突入したのが間違いだった。ナチスが台頭していようが、日本が出てこようが、放っておけばよかった。アメリカはアメリカの繁栄だけを考えていればよかった。もっとアメリカを豊かにしよう。偉大なアメリカにしよう。アメリカ人の生活さえ良くなればいいんだ。あとは知ったことじゃない」という理屈です。

アメリカが石油を手に入れるのであれば、「アメリカのそばにあるベネズエラが生意気だ。少しシメて、あそこから石油をとってくるか」と、こういう感じですよ。

だから、意外と平和外交になる。

 

トランプ=「アメリカ孤立主義者」と指摘し,TPP破棄,駐留米軍の撤退,すなわちアメリカは世界の警察ではなくなることから中東での戦争勃発などを予想しています.

もしトランプが大統領になったら…:日経ビジネスオンライン

もしトランプが大統領になったら…:日経ビジネスオンライン

このコラムについて

 米大統領選の投票日、11月8日まで、レースは秒読みの段階に入った。
共和党の候補、ドナルド・トランプ氏には女性蔑視発言という新たな“逆風”が加わった。
共和党の重鎮たちの間で、同氏を見切る発言が相次いでいる。

だが、トランプ氏はこれまで、いくつもの“試練”を乗り切ってきた。
米兵遺族を中傷する発言をした時にも、「タブーを破った」として評価を下げたが、いつの間にか、民主党のヒラリー・クリントン候補の背中が見える位置に戻ってきた。

クリントン氏が再び体調を崩すことがあれば、支持率が逆転する可能性も否定できない。
「もしトランプが大統領になったら…」。
この仮定は開票が済む、その瞬間まで生き続けそうだ。

日経ビジネスの編集部では、「もしトランプが大統領になったら…」いったい何が起こるのか。
企業の経営者や専門家の方に意見を聞いた。
楽観論あり。悲観論あり。
「トランプ氏の就任が米国の『今』を変える」との意見も。
百家争鳴の議論をお楽しみください。

 

2016年10月14日の元防衛大臣石破茂衆議院議員を皮切りに,サントリー新浪社長,前嶋和弘上智大教授,柳井正ファーストリテイリング会長兼社長,タレントのパックン等各氏へのインタビュー16記事が掲載されています.

パックン氏はこう述べています.

パトリック・ハーラン氏(以下、パックン):トランプ氏が実際に当選したとしよう。まず、そこで2つの道がある。

 1つは、彼が積極的に大統領の仕事に取りかかる。もう1つは「何もしない」。僕の考えは後者だ。そもそも立候補したのは記念受験みたいなもの。「ダメモト」で受けてみようよ、と。

 「何もできない」というよりかは、「何もしない」のではないだろうか。

どのような観点から「何もしない」と考えるのでしょう。

パックン:まず、彼が掲げる公約を見てみると、何もできる気がしない。メキシコとの国境に壁を作ったりすることはまずできない。不法移民を一掃すると彼は言っている。だが、1000万人以上いると言われる不法移民を、一気に追い出すことは不可能だろう。

 中国の為替操作を止めることもできない。TPP(環太平洋経済連携協定)は批准しないと思うけれど、その代わりになるものは作れない。「オバマケア」と呼ばれる医療保険制度改革を廃止すると簡単に言うけれど、その代わりになる制度が見えないとたぶん議会を通すとことはできない。つまり、大きなことを言っているけれど、実現できるかといったらどれもできないと僕は思う。そもそも、実行するつもりで言っているわけでもないだろう。

 

公約はかかげたものの,TPPに批准しない以外は何も実現しないだろうという見方です.かつて世界都市博覧会中止以外何らしていない(としか思えない)元東京都知事青島幸男氏を思い出さざるを得ません.

 

柳井正氏はこうです.

柳井:大統領にもっともふさわしくない人が、大統領になるということですね。自由と平等という、米国の憲法の精神、建国の精神に反しているのではないですか。彼が言っているのは、レイシズムに近い話です。米国は、英国から清教徒が来て作ったわけで、成り立ちから言っても移民の国です。移民の国が移民を否定するのはあり得ないことです。

 アメリカ・ファースト(米国第一)と言っていますが、彼はミー・ファースト(自分第一)ですよ。完全に自己宣伝の人です。一番、政治家に向いていない人で、大統領になるようなタイプの人じゃない。米国の問題にとどまらず、世界の問題になります。

トランプ氏は、メキシコとの国境に壁を作るという、公約を取り下げていません。普通のイスラム教徒などの入国も制限しようとしてきました。米国を含めて、世界各地で店舗展開している、ファーストリテイリングのビジネスにも影響がありそうですか。

柳井:世界中の優秀な人を探して、世界中で活躍してもらうことを目指している我々のビジネスにとって、悪影響しかないでしょう。米国の今の発展を支えているのは、世界各地からシリコンバレーへ移民してきた人たちだし、古くはニューヨークだって、欧州からの移民で発展してきたのです。そういう歴史を持つ国が、悪い意味の一国主義になる可能性があります。昔の「モンロー主義」の不健全な部分、つまり排他主義につながります。トランプ氏のような政策を、もしも実行すれば、世界経済がめちゃくちゃになると思う。

 当社のような企業も、グローバル展開ができなくなるかもしれない。これまで米国という国、そして米国にやって来る人材が新しい産業のインキュベーターになってきましたが、そういうものも機能しなくなる可能性があります。米国が劣化したことの象徴がトランプ氏と言えると思います。

 

「大統領にもっともふさわしくない人が、大統領になる」と喝破しています.そう感じていた方も多かったのかもしれません.だからヒラリー・クリントン氏の勝利を疑わなかった.

なお,柳井氏へのインタビューのタイトルは「米国の終わりが始まる」です.

もしトランプが大統領になったら?クリントンとの対日政策比較|『週刊ダイヤモンド』特別レポート|ダイヤモンド・オンライン

もしトランプが大統領になったら?クリントンとの対日政策比較|『週刊ダイヤモンド』特別レポート|ダイヤモンド・オンライン
ヒラリー氏とトランプ氏の対日政策を比較した記事です.トランプ氏が勝利した以上,比較には意味がなくなりましたが,比較した上で日本にどのような影響が出るのか,予想を紹介します.

対中政策についてはどちらも強硬な姿勢だが、一点大きな違いがある。クリントン氏は経済面だけでなく安全保障面でも、中国に対して国際的なルールに従うことを強く求めているが、トランプ氏の対中批判は経済面に偏っている。「中国との安易な“取引”に走るリスクがないとはいえない」(安井明彦・みずほ総合研究所欧米調査部長)。

 外務省関係者も、「カネで話がつくとなれば、中国やロシアからすればトランプは御しやすい相手」と警戒する。

 トランプ氏の対日政策についての主張で最も衝撃的なのが、日本の安保タダ乗り論だ。「日本が攻撃されれば、米国はすぐに助けに行かなければならないが、われわれが攻撃を受けても、日本は助ける必要はない。条約は片務的であり不公平だ」と、現在の安保条約を批判。いきなり駐日米軍撤退とはならないだろうが、日本にさらなる費用負担を求める交渉材料として使われる懸念がある。

 トランプ、クリントン両氏の対日政策を比較すると、やはり日本への悪影響が大きいのはトランプ氏の方だ。予備選を勝ち抜き本選に進めばトランプ氏も変わるとの見方もあるが、「本選になっても中道に修正するのは難しいのではないか」(足立正彦・住友商事グローバルリサーチシニアアナリスト)とみる向きもある。

 

トランプ氏の対中政策について変化したという印象はありませんが,実際に執務を開始したらどうなるんでしょうね・・・

当選確実になってからの記事

当選確実後にいくつもの記事がアップされています.まだトランプ氏大統領就任前なのでこれらも予想の範疇に入るでしょうから随時追加していきます.

トランプ政権誕生へ~戦後日本「対米自立」「自主防衛」の新時代に~(古谷経衡) - 個人 - Yahoo!ニュース

・「防衛予算増」「自主防衛」を見越し、すでに高騰する防衛関係銘柄

日経平均は、今次選挙の愁眉のところであったフロリダ州(選挙人29名)をヒラリーが失陥するのが濃厚となったところから急落し、一時1000円(11月9日)近くも落とした。これは当然トランプ政権誕生による強烈な保護主義による日本輸出産業の打撃、トランプ政権誕生による先の見えない不安定要素を織り込んだものとして、多少恐慌の感はあるものの、道理である。

しかしと同時に賢明な投資家は、すでに鋭敏にトランプ政権誕生を念頭に入れ、トランプ政権による日米同盟空文化による在日米軍のさらなる縮小や撤退の方針に備え、防衛に関係する銘柄を買いあさっている。つまり日本が強制的に自主防衛せざるを得ないことを直感的に感じ取っているのだ。

この大荒れの相場の中でも、東京計器 (7721)、石川製作所 (6208)、豊和工業 (6203)のみは、値上がり銘柄のTOPに躍り出ている。いずれも防衛・軍事関係産業で、トランプ政権誕生による日米同盟弱体化により、是が非でも日本が防衛予算を増やさざるを得ない近未来を織り込んでいるとみて間違いなかろう。


防衛・軍事関係産業関連株が値上がりしています.目利きというのはこういう株に目を付ける人達のことを言うんでしょうね.

山猫日記(三浦瑠麗氏)「トランプ大統領」誕生 - 山猫日記

米大統領が誰になり、どんな政策を展開するかは日本にとってとても重要です。しかし、日本には、日本が独自に解決すべき問題がいくらでもあります。他国の大統領の暴言を気にしている場合ではありません。日本は、難民を排斥する以前にほとんど受け入れていない国ですし、女性蔑視の発言が平気で横行する国なのですから。日本にできることは、責任ある安全保障政策を追求し、国際的な経済秩序を積極的に提案し、必要な経済改革を自らやってのけることです。当たり前のことを当たり前にやればいいのです。 


トランプ・ショックを追い風として当たり前のことができる国になればいいのですが・・・  

まとめ

正直言ってまさかトランプ氏が勝利するとは思っていませんでした.

しかし,今年2016年にはイギリスのEU離脱のようなありえない出来事が起きました.

これからはありえない事が普通に起きてしまう世の中になる,というかすでになっています.フィリピンなんかもね・・・

どちらにしてもアメリカはオバマ当選以来,再び"CHANGE"することになったのは間違いありません.



さて,5年後はどんなアメリカ,どんな日本,そしてどんな世界になっているのでしょうか?

ではまた5年後に!

 

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