F-4EJ改をつくる!
このところ,物欲をとてつもなく刺激する危険物が立て続けに発売されています.
そういうときはブログにしたためて欲望を発散するに限るので,直近ではこれを書きました.
週刊バック・トゥ・ザ・フューチャー デロリアン全130号総額23万6302円也【デアゴスティーニ】
そして今回はこれ.アシェット・コレクションズ・ジャパンによる週刊航空自衛隊F-4EJ改をつくる!です.
(http://www.f-4ej.jp/home.html)
まず目を惹くのは,一般的な航空機のプラモデルを作ったことがある人ならびっくりするそのスケール.1/32なんですよ,これが!
でかいです.全長約60cmはデアゴスティーニのデロリアンをちょっと上回るほど.
あ,比較対象を間違えました.一般的というか,小・中学生の頃作った航空機プラモで一番大きかったのはハセガワの1/48シリーズ.
ハセガワのHPによれば,F-4EJ改の全長は19.2m.1/48スケールモデルなら全長40cmです.昔自分が作ったのは乏しかったお小遣いを貯めて奮発したF-14トムキャット.もちろん手動ではあるけれど可変後退翼も再現されており,当時のプラモ少年にとってはサイズ・ギミックとも十分大物に入る逸品でありました.
一方,アシェットのF-4EJ改.これはでかいです.巨大です.上記画像の右上に注目してください.全長約60cm,1/32スケール,しかもメタルボディ.どうでもいい人にとってはどうでもいいけれど,ツボに刺さる人にとってはこれだけで王手をかけられたようなもの.心がぐらぐらしています.

F-4EJ改の「改」とは?そしてファントムと言えばあの漫画
これまたどうでもいい人にとってはどうでもいいことですが,F-4EJ改の「改」が何を指しているのかについて触れておきます.
F-4EJ改の「改」は「改造」の改です.F-4ファントムは国産戦闘機ではありません.国産機は三菱F-1に始まり・・・という話は割愛しますが,元の機体F-4Eを航空自衛隊用に導入したのがF-4EJ.この際,専守防衛には不要とされた空中給油装置と対地攻撃能力が外されたとのこと(航空自衛隊(装備編) | JAFの趣味なページ - 楽天ブログ).
そして,F-4EJを改修したのがF-4EJ改.レーダー・火器管制装置・搭載ミサイルの近代化と爆撃能力の向上が図られています(主要装備 F-4EJ(改)|防衛省 [JASDF] 航空自衛隊).
エリア88とファントム無頼
プラモを作っていた頃とかぶって読んでいたのが,新谷かおる著『エリア88』,そして『ファントム無頼』です.
エリア88では,主人公風間シンがファントムを操縦したシーンは地上空母・グランドスラム編のみ.カネを払って乗った機体はF-8E,F-5E,サーブ35,F-20などでしたので彼の主要機体ではありませんでした.
ですので,ファントムは脇役の地位を確保していましたが,サラがブラシア国パイロット救出作戦で登場するなど,作品に欠くことの出来ない(当時の情勢では当然ではありますが)機体でした.
その日,悪魔は"生きろ!"といった・・・『エリア88』【漫画書評】 - おまきざるの憂鬱
『ファントム無頼』ではタイトル通りファントムが主役を張っていました.コミックはもう手元にないのですが,第32話で退役寸前のファントムを操縦していたらトラブルが発生,なぜか勝手に脱出装置(射出座席)作動.そう,ファントムが神田・栗原の命を助けたのです.このシーンには泣きそうになりました.他にも校舎の窓を通過するわずかな時間を狙って座席を射出させ輸血用血液を届けるシーンや,着艦用フックで人工衛星を回収する海軍機を助けるため発砲するシーンなどなど.作中の有名なセリフの一つに「抜かずの剣こそ平和の誇り」というのがあります(第35話).
現代の緊迫した国際情勢の下,2016年4月1日〜12月31日までの空自スクランブル(緊急発進)回数は883回と,2015年の873回をすでに上回っている中(http://flyteam.jp/news/article/74478),空自は「抜かずの剣」を保っています(少なくとも空自側が武器を使用したとの報道は耳にしていません).紛争に発展しないことを祈るしかありません.
ギミックは?
アシェットのF-4EJ改の話に戻しましょう.
このモデル,むろん,特筆すべきはサイズと材質だけじゃありません.
あちこち動きます!
光ります!!
そして唸ります!!!
可動箇所
HP画像を読む限り,可動箇所は以下の通り.
・キャノピー(コントローラーによる)
・前縁スラット
・スピードブレーキ
・外翼(コントローラーによる)
・ラダー(コントローラーによる)
・後縁フラップとエルロン(電動)
・レドーム
・前脚(コントローラーによる)
・エアインテイク(コントローラーによる)
・主脚(コントローラーによる)
・排気ノズル(電動)
・スタビレーター(コントローラーによる)
(http://www.f-4ej.jp/home.html)
点灯箇所
そして,35年前のプラモ少年には縁遠かった点灯ギミック.
・コクピットの計器類
・排気ノズル内LED
欲を言えば翼端灯も再現して欲しかったですが,まあそこまでは,ね.
サウンド再生
動く,光るの次は唸る.エンジンサウンドとバルカン砲の発射音を再現できます!
ここまでするならミサイル発射音も,できればAIM-7スパローとAIM-9サイドワインダーを分けて,と言いたいところですがこのギミックは無し.2種のミサイルは各4発ずつ搭載可能なのは実機通り.
サイズ・材質に加え,ここまでのギミックが揃っていれば間違いなく"買い"なんですが・・・最大の問題であるお値段はいかほどになりますでしょうか?
総額
・創刊号は特別価格299円税込み
・以降は特別価格1,799円税込み(http://www.f-4ej.jp/faq.html)
・マガジン保存用のバインダーは14回分を保存可能。2冊組990円税込み(https://hcj.jp/form/f-4ej/)
・全110号の予定(http://www.f-4ej.jp/faq.html)
ということで・・・
(1×299)+(109×1799)+(4×990)
=299+196091+3960=200350
20万350円となりました.
デアゴのデロリアンよりは安いですね・・・まあ似たり寄ったりですか
参考までに,これまで計算したことがあるこの手のものの値段です.
・週刊「サンダーバード2号&救助メカ」→15万3,792円
・隔週刊「第二次世界大戦傑作機コレクション」→16万1,637円
・週刊バック・トゥ・ザ・フューチャー デロリアン→23万6,302円
・週刊ロビ→14万3,368円(税抜き)
この中で20万超えはデロリアンとF-4EJ改だけですね. まあ,比較すべきはアシェットから発売されているF14トムキャットでしょうか.
トムキャットの総額は
(1×299)+(139×1790)+(5×990)
=299+248810+4950=25万4,059円
というわけで,F-4EJ改はトムキャットやデロリアンほど高くないけど,サンダーバード2号よりは高い,という結果になりました.なりましたが・・・
どっちにしても買えません(泣).狭い住宅事情と限られたお小遣いという悲しい制限要因があるので,1/100モデルで我慢しようと思います.これなら置ける.→買いました!!
なお,アシェットの「F-4EJ改をつくる!」は2017年1月11日創刊,定期購読すると第10号以降は4号まとめて送られてきて,上記の通り最終号は110号の予定です(http://www.f-4ej.jp/faq.html).
ではまた!
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