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ノーベル賞受賞・本庶佑京大特別教授の研究にまつわる4冊

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2018年ノーベル医学生理学賞を本庶佑・京都大学特別教授が受賞されました。

本庶佑教授が切り拓いた「がん免疫療法」について知ることは、私たちがいつ罹ってもおかしくない「がん」に対する大きな知見となります。

筆者も勉強しようと思い、書籍を4冊購入したので紹介します。

ゲノムが語る生命像

 

1冊目は2013年に発行された『ゲノムが語る生命像』です。

この本は、もとは『遺伝子が語る生命像』というタイトルでブルーバックスから1986年に発売され、24刷を重ねたものです。

1986年から30年を経て、生命科学は飛躍的に進歩・発展を遂げました。本書は、その間の成果を踏まえた改訂版という位置づけになります。

全体は7章から構成されています。

  • 第1章 メンデルからゲノムへ至る道
  • 第2章 分子細胞遺伝学の基礎
  • 第3章 ゲノム工学の技術
  • 第4章 生命科学の新しい展開
  • 第5章 ゲノムから見た生命像
  • 第6章 生命科学がもたらす社会へのインパクト
  • 第7章 生命科学者の視点から

このうち、ノーベル賞受賞に至った研究で重要である「PD-1」については、第4章の「ガン治療の新たな展望」の項に登場します。

2012年6月に画期的な免疫療法と称されるものが、世界的に権威のある学術雑誌で紹介され、現在大きな反響を呼んでいる。これは、著者らが1992年に発見した免疫系を抑えるリンパ球レセプターPD-1に対する抗体を用いる免疫賦活化療法である。(『ゲノムが語る生命像』p.174) 

ただし、PD-1の解説はわずか1ページちょっとしか割かれていません。

もう少し詳しく知りたいと思い、別の本を購入しました。

現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病

※Kindle版はありません。

『現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病』の著者は岸本忠三(元大阪大学学長)、中嶋彰(サイエンス作家) 。書店で見かけ、帯に"「PD-1」とは何か 本庶佑氏の発見の意義を明快に解説!"の文句に惹かれました。

全5章から構成されています。

  • 第1章 樹状細胞の物語
  • 第2章 制御性T細胞の物語
  • 第3章 成人T細胞白血病との戦いの物語
  • 第4章 免疫チェックポイント分子の物語
  • 第5章 インターロイキン6の物語

PD-1は第4章に登場します。中身の解説は・・・本書を手にとっていただくことを期待します。

免疫に関してはこのマンガを強くおすすめします。

 話をもどします。pp.248-249には、PD-1分子による成果から、日本の文化勲章・コーリー章・台湾の唐奨を受賞し、すでに「ノーベル賞の候補にたびたび名前があがる(p.249)」存在だったことがわかります。

そこで、書籍より短く、読みやすい(紹介もしやすい)文章はないかと、日経サイエンスのバックナンバーに当たりました。

日経サイエンス2016年8月号「特集 がん免疫療法」

日経サイエンス2016年8月号

日経サイエンス2016年8月号

 

日経サイエンス2016年8月号の「特集 がん免疫療法」に、『本庶佑 京都大学名誉教授(注:当時)免疫チェックポイント阻害剤に道』という記事があることを確認、わずか2ページではありますが購入。中身が知りたい方はぜひお買いもとめください。

日経サイエンス2018年12月号「ノーベル特集 がん免疫療法」

そうこうしているうちに、日経サイエンスで本庶佑氏ノーベル賞特集が2018年12月号で組まれたので迷わず購入(中を見なかった・・・)

日経サイエンス2018年12月号

日経サイエンス2018年12月号

 

 

がん免疫療法特集は14ページです(『新・人類学』のほうが興味あるけれど、日本人人類学者・霊長類学者が著者にも訳者に1名しかいなかったという・・・)

おわりに

それぞれのレビューとなるとものすごく手間がかかるので、あくまで紹介にとどめました。

こういった話を理解するには、免疫や遺伝・DNAの基礎知識は不可欠です。DNAについては拙ブログ記事に基礎の基礎を書きましたので、ご笑覧くだされば幸いです。

DNAの4つの塩基:ATGC
DNA複製
DNA修復
DNAからRNAへの転写
選択的スプライシング
tRNAと翻訳
DNAと遺伝子の違い

 

なお、2018年12月9日の朝日新聞朝刊東京版14面にこんな記事がありました。

"本庶さん研究「美しい事例」 ノーベル賞選考委員長が評価"
ノーベル医学生理学賞選考委員長のスウェーデン・カロリンスカ医科大学アンナ・ベデル教授が本庶教授の成果を評価する内容ですが、記事の最後に「日本には多くのすばらしい研究者がいる。長期にわたって基礎研究を支援してきたことが大きい」とあります。

今の日本の科学分野への予算投入のありかたに対するものすごい皮肉と捉えたのは私だけでしょうか?

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