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20〜30代の投票率が20P上がれば政治は変わる,と思いたい【杉並区のデータから】

当記事はプロモーションを含んでいます。
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第48回衆議院議員総選挙が2017年10月10日公示28日投票となることが決まりました.このエントリーでは杉並区20〜30代の投票率の変化がもたらす影響についてデータをもとに考察しました.   

第48回衆議院議員総選挙に向けて

20〜30代有権者の投票率が低いことはご存じのことと思います.第46回衆議院議員総選挙での年齢階層別投票率は以下の通り(20〜24歳,25〜29歳,30〜34歳,35〜39歳の順に記載).

・全国:35.30%,40.25%,47.07%,52.64%
・区部:39.00%,38.74%,45.71%,52.84%
・市部:32.65%,38.76%,45.16%,50.05%
・町部:34.00%,42.03%,50.51%,56.59%
・村部:42.92%,48.82%,53.94%,58.31%

実はどれもこれも40歳以上の投票率を下回っているんです.これらの投票率を下回った40歳以上の投票率は村部80歳の投票率(48.54%)だけ!

・・・なんというていたらくhttp://www.akaruisenkyo.or.jp/070various/071syugi/696/

でも20〜30代有権者のうちある程度の人たちが投票すれば選挙結果は動かせます.意中の政治家を当選させられる可能性があるのです.

このエントリーではたまたま見つけた杉並区の年代別の投票結果を用い,杉並区20〜30代の有権者がこのくらい投票したら選挙結果を左右させられる,ということについて書きました.

来月の衆院選に向けてどの候補者に投票するかについて考えるきっかけになれば幸いです. 

資料

今回用いる資料はどれもネットで入手可能です.

資料1:H22年とH25年参議院選挙における杉並区の年代別投票数と投票率

f:id:browncapuchin:20160316060836p:plainhttp://www.horibe-yasushi.com/2013/20130803.html注:表の赤枠は筆者による)

ここから平成25年の投票者数と投票率を用いました.

資料2:杉並区の人口

杉並区HPの統計データから,2-4 年齢(各歳)、男女別人口 (Excel 28.5K)を用いました.用いたのはH25年1月1日現在のデータです. 

www.city.suginami.tokyo.jp

余談ですが,今回調べてみて驚嘆したのは杉並区の人口データがものすごく詳細なことです.自分が住人だったらここまでWEBで公表しなくてもいいと思うくらい.でもこういうデータはもしかしたら災害時の住民数把握などに役立つかもしれません.

資料3:H25年参議院選挙の投票結果

杉並区の分です.

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出典:http://www.tokyo-hayasaka.com/images/sangiin_senkyokekka.pdf

衆議院小選挙区データを用いたかったのですが,資料1の年代別投票率のデータは杉並区における参議院議員選挙のものしか得られませんでした.

20代および30代の投票率は?

では,20代・30代の投票率を見てみましょう.

・H25年参議院選挙時点での20〜30代の有権者数:17万1,093人
・投票数:7万1,675票
・投票率:41.9%でした.

やはり20〜30代有権者の50%も投票していません.

一方,40代以上の投票数は18万1,777,投票率は62.9%でした.これでは20〜30代に勝ち目はなさそうに見えます.

ちなみに参議院の東京選挙区で当選するのに必要な得票は少なくとも60万票(資料は後述).杉並区の20〜30代,いや全杉並区有権者約46万人がみんなそろって一人の議員に投票してもそれだけでは参議院議員一人すら当選させられません(参院選については最後に考察します)

しかし,衆議院選挙は事情が異なります.
 

杉並区の衆議院議員選挙

国政選挙の場合,杉並区は東京第8区という選挙区になっています.

注:杉並区方南1丁目〜2丁目は東京第7区に移行しました.その住民数および各年代の住民数データもあるのですがこのエントリーでは平成25〜27年選挙を元に話を進めるため考慮しないものとしました.ご了承ください.

H26年の衆議院議員選挙では石原伸晃氏が当選しました.当日有権者数46万4,884人,最終投票率が54.61%東京都第8区 - Wikipedia石原氏の得票数は11万6,193票でした.これは20〜30代の有権者数(H25年数値)17万1,093人の67.9%です.ざっくり7割とすれば11万9,765票

20〜30代の有権者の7割が一致して意中の候補者に投票すれば,その候補者を衆議院に送り込めたのです. 

杉並区の東京都議会選挙

では,20代・30代の有権者の7割の票である11万9,765票があれば,都議選と区議選で何ができるかについて見ておきましょう.

H25年の東京都議会選挙杉並選挙区で当選したのは6名.合計得票数は14万8,327http://go2senkyo.com/local/senkyo/9858).得票数6位の小松久子氏は18,018票で当選しています.

得票数の低い順に合計していくと,2位〜6位までの合計で11万3,068票です.

これまた20〜30代の有権者の7割の票があれば,杉並選挙区では都議6人中5人を当選させられます. 

杉並区議員選挙

H27年の杉並区議会選挙で当選したのは48名.合計得票数は15万4,670杉並区議会議員選挙 | 日本最大の選挙・政治情報サイト.最下位48位の川津理恵子氏は2,024票で当選しています.

しかしながら,得票数の低い順に合計していくと,8位〜48位までの合計で11万7,266票

20〜30代の有権者の7割の票があれば,杉並選挙区では区議48人中41人を当選させられます. 

参議院議員東京選挙区

最後に,参議院の東京選挙区まで視野を広げたら話はどうなるでしょう?

<H25年参議院選挙東京選挙区の結果>

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http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2013/kaihyou/ye13.htm

H25年における東京都の20〜30代の人口は361万8,716人住民基本台帳による東京都の世帯と人口 平成25年1月 第6表そのうちの70万人は19.3%です.

東京都の20〜30代有権者の2割が意中の候補者に票を集中すれば参議院議員を1人送り込めるのです.

まとめ

・杉並区20〜30代の7割の票で区議48人中41人を当選させられる.
・杉並区20〜30代の7割の票で都議6人中5人を当選させられる.
・杉並区20〜30代の7割の票で小選挙区衆議院議員を当選させられる.
東京都20〜30代の2割の票があれば参議院議員を1人当選させられる.

 
繰り返しますが,石原伸晃衆議院議員の得票数は11万6,193票.これは20〜30代の有権者数17万1,093人(H25年の数値を用います)の67.9%です.

H25年参議院選挙時点での20代・30代の投票率は41.9%にすぎません(有権者数は17万1,093人.投票数は7万1,675).20〜30代有権者の投票率があと26ポイント上がれば何かが変わるかもしれません.

 

政治家は投票率の高い年齢層を向いた政治しかしません.20代・30代のみならず18歳・19歳の若い有権者はそれでいいのでしょうか?

このエントリーの最初に引用したデータを思い出してください.第46回衆議院議員総選挙全国での20〜24歳,25〜29歳,30〜34歳,35〜39歳の投票率はこうなってました.

・35.30%,40.25%,47.07%,52.64%

ここに26ポイントを上乗せするとこうなります.
・61.30%,66.25%,73.07%,78.64%

78.64%は全年齢階層で最高の値65〜69歳の77.15%を上回ります.73.07%は60〜64歳の73.17%に匹敵します.若い有権者の投票率が上がればきっと政治は変わる,そう思いたいです.26ポイントとは言わないけど,若い有権者が友人一人と連れだって投票するだけでもかなり変わるはず.

無論,すべては机上の空論です. 20〜30代の投票行動が一致するはずもないでしょうし,そもそも投票しない有権者のほうが多いです.マイナス3とマイナス2とマイナス1の候補者からどれを選べと言われても困ります.自分の1票を行使するもしないも自由なり.でもそれでいいのでしょうか?

今のままでいいのならその意思表示をしましょう.嫌ならその意思表示をしましょう.10月22日は投票所に行きましょう.われわれには選挙権があるのですから.

ではまた!

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